空き家を放置しないために知っておきたいこと

鹿児島県の空き家事情

令和5年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、鹿児島県の空き家数は184,200戸と推計されています。

人口や世帯数の減少などを背景に、空き家は今後も全国と同様に増加していくことが予想されています。

都道府県別の空き家数及び空き家率(PDF)

鹿児島県内の市町村別空き家数及び空き家率(PDF)

空き家を放置すると何が起こる?

周辺の生活環境に影響を及ぼす

住宅は適切な管理をしなければ、時間とともに劣化が進んでいきます。

管理されていない空き家では、外壁材や屋根材が落下したり、建物が倒壊したりするなど、安全面での問題が発生するおそれがあります。

さらに、ごみの不法投棄や悪臭、ねずみ・野良猫・害虫などの発生、雑草の繁茂などによって、周辺の衛生環境や景観が悪化する可能性もあります。

また、適切に管理されていない空き家があることで、周辺の不動産価値が下がる可能性や、不審火・放火、不審者の出入りなどによって地域の防犯性が低下するとの指摘もあります。

外壁材や屋根材の落下、火災などによって通行人や近隣住宅に被害を与えた場合には、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあります。

自治体からの指導や罰則の対象になることも

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、以下のような状態に該当する空き家は、「特定空家等」と認められる場合があります。

  1. 倒壊など、著しく保安上危険となるおそれがある状態
  2. アスベストの飛散やごみによる異臭など、著しく衛生上有害となるおそれがある状態
  3. 適切な管理がされておらず、著しく景観を損なっている状態
  4. 立木の枝の越境や、棲みついた動物のふん尿などによって、周辺の生活環境を乱している状態

実際に著しく危険・有害な状態になっている空き家だけでなく、将来的にそのような状態になることが予想されるものも、特定空家等に含まれます。

特定空家等に認定されると、自治体から所有者に対して適切な管理を行うよう助言や指導が行われます。

それでも改善されない場合には、勧告や命令の対象となることがあります。命令に従わない場合、最大50万円以下の過料が科される場合があります。

税金の負担が増える可能性も

土地や建物を所有している場合、固定資産税や都市計画税などの税金がかかります。

住宅やマンションなど、居住できる建物の敷地である「住宅用地」には、税負担を軽減する特例措置があります。

例えば、固定資産税の課税標準額は、面積200平方メートル以下の部分については「小規模住宅用地」として6分の1に、それを超える住宅用地については3分の1に軽減されます。

ただし、空家法に基づく勧告を受けた特定空家等の敷地や、居住に必要な管理がされておらず、今後も住む見込みがない空き家の敷地などについては、この特例措置が適用されない場合があります。

空き家を放置しないためにできること

空き家を発生させたり、そのまま放置したりしないためには、早い段階で今後の方針を決めることが重要です。

具体的には、

  • 売却する
  • 貸し出す
  • 自分や家族が利用する
  • 解体する

といった選択肢があります。

「売る」「貸す」のであれば不動産会社への相談や空き家バンクの利用、「使う」のであればリフォームや空き家管理サービスの利用など、目的に応じてさまざまな方法を検討できます。

相続する前から家族で話し合っておく

空き家が発生する原因の半分以上は相続とされています。

親が住まなくなった後、その家をどうしたいのかを事前に家族へ伝えていないと、子どもが実家を相続した後に方針を決められず、空き家の状態が長期化することがあります。

相続では、遺産分割や相続登記だけでなく、家財の片付けや遺品整理など、さまざまな問題が発生します。

その結果、「売る」「貸す」「使う」「解体する」といった選択肢を実行できないまま、空き家を放置してしまうケースもあります。

「誰が家を相続するのか」「相続後は誰が住むのか」「売却するのか、貸すのか」「解体するのか」など、将来の方針を関係者であらかじめ話し合っておくことが大切です。

空き家は、所有してから対応するのではなく、空き家になる前から管理や活用について考えておくことが、将来的な負担を減らすことにつながります。